本を愛するご夫婦が営む大人の喫茶

食べる/海風文庫
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用宗港から徒歩すぐ、海風が心地よくそよぐ場所に海風文庫という喫茶店があります。本好きの奥様と和菓子職人のご主人が営む静かな喫茶。忙しい毎日からちょっと逃げ出したくなったら、ゆったりとした時間が流れる海風文庫に浸りに来ませんか?

本好きが集まる大人の喫茶「海風文庫」

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2021年8月30日、用宗みなと温泉へと通じる道沿いにオープンした喫茶店「海風文庫」。店内のラックには本好きの奥様がチョイスした小説などが並んでいます。本が大好きな奥様は、最近の若者の本離れを憂いており、少しでも本を楽しむ人が増えて欲しいとの思いから、自宅にあったコレクションをお店に並べているそう。

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「最近はみなさん、いつでもスマホでしょ?歩いている時もお店で座って待っている時も。それって寂しいですよね。若い女性が喫茶店で座りながら本を読んでいる姿って、とってもかっこいいと思うので、ぜひ本を読みながらゆったりとした時間を過ごして欲しいです。」

そんな奥様の想いは客席のテーブルの上にも現れています。「静岡県の雑学」、「昭和レトロ家電」、「お江戸ことば」など、最初から最後まで読まなくても、ちょっとした時間で楽しめるユーモラスな本が各テーブルの上に置かれています。

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「先日来店された年配のご夫婦は、おふたりで昭和レトロ家電の本を眺め『懐かしいねぇ』と言葉を交わしながら楽しまれてた様子でしたよ」と嬉しそうに語る奥様。海風文庫では、コーヒーが運ばれてくるまでのちょっとした時間を本が埋めてくれる、そんな素敵な喫茶店です。

こだわりの和洋菓子は繊細で上品な味わい

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調理を担当されるご主人は、ホテルマンや喫茶、バーテンダー、和菓子職人など幅広いキャリアを経験されています。近年はご自身の会社経営に注力されていたそうですが、長年の夢を追い続けるため一念発起しお店をオープンされたそう。現役で和菓子の職人さんをされていた頃から間が空いているとのことで、感覚を取り戻すのに苦労をされているようですが、それもまた楽しいと笑顔で語るご主人。そんなブランクを感じさせない海風文庫のオリジナリティあふれる和菓子をご紹介します。

餡入り本わらび餅

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夏の風物詩でもある、ひんやり美味しいわらび餅。海風文庫のわらび餅は、小豆から炊き上げた自家製のこしあんを包んだ、餡入りわらび餅。餡入りのわらび餅は京都発祥とのことで、静岡ではなかなかお目にかかれない珍しいタイプです。中に包まれたこし餡は、一切くどさがなく滑らかで絶妙な甘さ加減。たっぷりかかったきな粉の香ばしさとの相性も抜群です!きな粉の量を加減することで、好みの甘さに調節できるのが良いですね!

イチジクと胡桃の羊羹

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赤ワインやラム酒で香り漬けされたドライフルーツ入りの本練羊羹。脇にはマスカルポーネ、クリームチーズを主体にしたクリームが添えられています。羊羹の上品な甘さにイチジクなどのドライフルーツの香り、胡桃のサクッとした歯ごたえや香ばしさ、チーズクリームの優しい塩味などが幾重にも重なり、これまでの羊羹の概念が覆される美味しさです。こちらの羊羹にはコーヒーがおすすめ!和菓子が味わえる喫茶店ならではの新しい楽しみ方を、ぜひ体験してください。

他にも、備長炭の炭火を使い、お客さんが自分で炙る、体験スタイルの炙り団子や、手土産にも最適な焼き小倉きんつば、昔なつかしい固めのプリン、日替わりフルーツのミルフィーユなど、店主さんのこだわりが詰まった和洋菓子が用意されています。

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どうしたらより美味しく食べてもらえるのか、研究に余念がない店主さん。旬の食材を使ったメニューは、季節ごとに変えていく予定とのことで、季節とともに移ろいを見せる和洋菓子メニューにご期待ください。

店内のインテリアは息子さん夫婦が担当、家族で作り上げたお店

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お店の外にはテラス席もあり、ペット同伴での利用が可能。用宗にはワンちゃんをお散歩させている方が多いとのことで、愛犬家の方もお散歩途中にぜひご利用ください。

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海風文庫が大切にしていること

「どら焼きでもきんつばでも、作りたて、焼きたてが一番美味しい。感動的に美味しい。そしてその感動が後世に受け継がれていくと思う。コンビニに並ぶ既製品も美味しいけれども、やっぱり作りたてにはかなわないので、ぜひ職人が作る出来立ての味を楽しんで行って欲しい。お客さんに目の前で食べてもらえて反応が見られるので、怖さもあるけれどもそれが喜びでもあります。」

海風文庫のご夫婦は、そんなふうに語ってくださいました。

本を読んだりお話をしたり、ゆったりとした時間の流れを楽しむ、居心地の良いお店作りを目指している海風文庫。店内に流れる落ち着いた雰囲気は、どこか用宗らしさが感じられ、この先も自然と町に馴染んでいくことと思います。

文/写真 よれちゃん
静岡のグルメ情報:もぐもぐしずおか